事業の必要性

事業の目的

近年、全国の高等専門学校(以下「高専」)では、「創造力のある実践的技術者」を育成すべく、多様な取り組みを積極的に行ってきました。

「創造力のある実践的技術者」とは、

  • 知識や技術を、実際的な事柄に当てはめて活用できる
  • 既知の知識や技術を組み合わせて、新しいものを作り出せる
  • 分野を超えた複合融合力を備えている

の3点を満たした人材を意味します。

例えば、高専の代名詞である「ロボコン(=ロボットコンテスト)」。
「与えられた課題に対し、分野を超えて様々なアプローチで挑む」というスタンスで考え、モノを作ることが求められる内容であるため、参加学生の複合融合力が育まれる取り組みであるといえます。さらに,対外的なコンテストという作品の評価システムも有しているといえます。

しかしながら、その「ロボコン」への参加者は、該当するクラブのメンバーなど一部の学生に限られます。高専が掲げる理想の技術者をより多く輩出するためには、学部・学科に関わらず、すべての学生が参加できる取り組みを別途行う必要があると考えます。

また、「参加学生ひとりひとりの能力が、実際にはどの程度育成されているのか」を「客観的に」人材を評価するシステムが十分には整備されていない、という問題もあります。

これらの問題点を解決し、「創造力のある実践的技術者」を全学的に育成することを目的とした新たな取り組みが、「創造力のある実践的技術者育成のための『高専型卒業制作』導入推進 −チームラーニングによるコンテストを 核としたGPA型制作科目の導入−」です。

事業の概要

取り組みの概要は次のとおりです。

  1. チームラーニング環境:
    チームティーチングやグループ学習を学科・キャンパス・姉妹校へと順次連携を広げていきながら行います。
  2. モノ造型コンテスト環境:
    知識や技術を複合融合させるコンテストを地域産学官・姉妹校へと順次連携を広げていきながら行います。
  3. 対外評価システム:
    学生作品に基づく作品自身と育成能力の評価を地域産学官・姉妹校へと順次連携を広げていきながら行います。
  4. GPA方式単位認定環境:
    前出の取り組みに対し、教育企画室委員会との連携し、対外コンテストによる外部評価と実作業時間を基にした、参加学生への単位認定を行います。
  5. 制作科目:
    教育企画室委員会との連携による、テーマ自己設定型のモノ造りをともなう科目を導入します。

上記をまとめると、まず初めに、全科教職員チームの指導の下、様々な学科の学生がチーム形式となり、自ら解決可能な問題を設定します。
次に、各チームは設定した問題に対し、知識や技術を複合融合させて解決策を作品にまとめ、コンテストで提案するものとします。提案内容は地域の市民によって評価され、その評価に作業時間を加味した上で、各チーム(の参加学生)に与えられる単位数が確定します。
確定後、各チームは提案内容に沿った制作を行います。制作完了後、各チーム(の参加学生)に対して単位が与えられます。

さらに、コンテストに出展された学生の作品を基に、地域産学官より招聘した外部評価委員より本事業で目的としている能力が育成されているか如何かを評価します。

事業の取り組み内容

当事業の目標に沿って、事業期間内に次の10項目を計画しています。

  1. 卒業制作推進員会の整備
  2. チームラーニングの実施
  3. 学内向けモノ造りコンテストの実施
  4. 対外的モノ造りコンテストの実施
  5. 対外的評価システムの整備
  6. 対外的評価の実施
  7. GPA(Grade Point Average)方式単位認定制度の整備
  8. GPA方式の単位認定の実施
  9. コンテスト作品展示空間の整備:校舎・体育館の改装
  10. FDの実施

平成22年度に実施する事業内容

平成22年度には、当事業の全体計画に沿って、次の8項目を行います。

  1. 卒業制作推進員会の設置(4月)・開催(年10回)
  2. チームラーニング・創造型コンテスト・対外評価・GPA制度WGの設置(4月)・開催(年10回)
  3. チームラーニングの実施(6月〜10月:10回)
  4. 学内向け創造型コンテストの実施(6月〜9月)
  5. 校舎・体育館の1期改装(8月〜9月)
  6. 対外的評価とGPA方式の単位認定の試行(11月)
  7. 論文投稿・報告配布(3月)
  8. フォーラム開催(3月)