活動報告

聴覚分野のノーベル賞に迫る!―蝸牛模型の制作と機能評価―

機械工学科3年
佐々木伶/高橋まどか/豊田俊一/藤原香菜/結城翔太

基底板とノーベル賞

空気の粗密波である音は,鼓膜を振動させ,耳小骨を経て「蝸牛」に伝えられる.螺旋状の形をした蝸牛の内部(図1)は基底板と呼ばれる膜で仕切られているが,この独特な形状・機構により,ピアノの鍵盤のように,部位によって20Hz〜20kHzまでの異なる周波数を弁別する高度な機能を備えている

図1 ヒト聴覚器官の模式図と基底板.基部が幅が狭く,頂部にかけて広がる.

(図2)この機能を独創的な実験により解明したBekesyは聴覚分野で唯一,1961年にノーベル医学・生理学賞を受賞している.

図2 基底板の周波数弁別機能.基底板の振動は,高周波の音では基部側,
低周波の音では頂部側で最大となり,振動を感知することが出来る.

研究の背景と目的

蝸牛は非常に小さく,さらに体中で最も硬い骨である側頭骨に埋まっているため,外から観察することは不可能である.そこで,本取組では,蝸牛の拡大模型を制作し,実験により周波数弁別機能を再現することで,聴覚のメカニクスについて理解する.

蝸牛模型と周波数弁別機能の再現実験

図3 製作した蝸牛模型と模式図.

高度な周波数弁別機能の再現に成功!

図4 レーザー振動計による基底板の振動挙動.
図2と同様に,卵円窓に入力した振動の周波数増加に伴い,振動のピークが基部側に移動している.