活動報告

コンクリートを測定対象とする簡易透気試験機の改良

相澤憂/郡山真幸/青山匠
指導教員:権代 由範

本取組の背景と目的

[コンクリートの切断面]
コンクリートは,比較的高密度な多孔体であり,2×10-3μm 〜 500μmという大小様々な空隙を有している

コンクリートに生じる劣化の多くは,コンクリート表層部(Cover Concrete)から外的劣化因子が浸透・拡散することに起因する。そのため,コンクリートの劣化に対する抵抗性「耐久性」は,コンクリート表層部の「透過性1)」−物質移動抵抗性−に大きく依存する。したがって,この「透過性」を評価することができれば,コンクリートの耐久性を間接的に評価することが可能であり,コンクリート構造物の耐久性照査や維持管理等の観点から,有用な情報を提供できるものと考えられる。

以上の観点より,コンクリートの「透過性」を評価する方法の一つとして,コンクリートの空気の通りやすさを指標とする「透気性試験」に着目した。本取組では,実構造物に適用可能であり,かつ,簡易的に実施できる『透気性評価試験法』の開発を目的として,既往の研究2)により開発された『簡易透気試験機(プロトタイプ)』の問題点を抽出し,改良を加えることによって試験の汎用性や信頼性の向上を図る。

簡易透気試験機(プロトタイプ)の問題点抽出と改良方法

既往の研究2)により開発された簡易透気試験機(プロトタイプ)の問題点を抽出して,改良方法を検討する。(特に,簡易性と汎用性の向上を目的に改良)その後,改良機の製作に着手する。

≪簡易透気試験法の概要≫
  • 対象面に「吸引鐘」を設置し,内部を真空ポンプにより減圧(-95kPa程度迄)
  • 減圧後,吸引鐘内の圧力変化と時間を計測,両者の関係から「指標値」を算出

進捗状況と今後の取り組み

下図に示すように,コンクリートの透気性に関する学習,現行の簡易透気試験機の問題点抽出と整理,試験機改良に必要な資材の選定・調達については,ゼミ等を中心に実施しほぼ完了している。
今後,改良機の作製・調整段階に入り,各種実験による試験機の実用性・信頼性に関する検証の後,改良型簡易透気試験機を用いた新たな透気試験法の提案を行う。

≪ 参考文献 ≫
1)長滝重義,氏家勲:コンクリートの透気性,セメント・コンクリート,No. 455 ,pp. 24-31 ,1985. 1
2)権代由範,月永洋一,庄谷征美,阿波稔,菅原隆:チャンバー吸引セルを用いた簡易透気試験法の有用性に関する基礎的検討,コンクリート構造物への非破壊検査の展開・シンポジウム論文集,Vol. 2 ,pp. 271-276 ,2006. 8